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糸柳ブログ

2022.11.03糸柳便り

アルカリ性単純温泉とは?楽しめる温泉街7選も

当記事では、アルカリ性単純温泉とはどのような泉質か、日本にある他の温泉の泉質と一緒に解説します。全国の温泉街の特徴や歴史についても紹介するので、温泉の泉質について知りたい方や、泉質で温泉旅行先を決めたい方は、ぜひ参考にしてください。

日本にある温泉は、地域によってさまざまな泉質があります。泉質の中でもアルカリ性単純温泉は、肌触りが柔らかく、赤ちゃんから高齢者まで年代問わず楽しめるので、おすすめの温泉です。

当記事では、アルカリ性単純温泉の特徴と、単純温泉以外の泉質について解説します。記事の後半では、アルカリ性単純温泉を楽しめる全国の温泉街を紹介しますので、温泉旅行を検討している方や、泉質が肌に合うか気になっている方はぜひ参考にしてください。
 

アルカリ性単純温泉とは?

温泉は、源泉に含まれる化学成分の種類と、化学物質の含まれる量によって10種類に分類されます。温泉の種類の1つであるアルカリ性単純温泉は、温泉水1kgに含有している化学成分量が1,000mg未満で、湧き出ている温泉の温度が25度以上あり、pH8.5以上のものを言います。肌の角質を取り、美肌効果が期待できると言われている温泉です。
(出典:一般社団法人 日本温泉協会「温泉の泉質のいろいろ」/https://www.spa.or.jp/onsen/501/
 

単純温泉とは?

単純温泉とは、温泉に含まれている化学成分の量が少ない温泉のことを言います。温泉の効能に即効性はありませんが、刺激の少ない温泉です。入浴すると肌がすべすべとした感触になるという特徴があります。身体にも優しいため、子どもや高齢者でも安心して入れる温泉と言えるでしょう。

単純温泉の効果効能は、下記の通りです。
 
・病後回復
・疲労回復
・ストレス解消
・健康増進

身体への刺激が少ないため、療養泉として脳卒中のリハビリにも利用されることがあり、「中風(脳卒中)の湯」とも呼ばれることがあります。
 

単純温泉のほかにはどんな泉質がある?

ここでは、単純温泉以外の9種類の泉質について、泉質別に特徴を紹介します。
 
塩化物泉 温泉水1kgに含有する化学成分が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が塩化物イオンの温泉です。塩分が主成分のため、飲泉すると塩辛く感じるという特徴があります。
炭酸水素塩泉 温泉水1kgに含有する化学成分が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンの温泉です。湯の花と呼ばれる石灰性沈殿物が生成されることがあります。
硫酸塩泉 温泉水1kgに含有する化学成分が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が硫酸イオンの温泉です。無色透明で、飲泉すると苦くて渋い味がします。
二酸化炭素泉 温泉水1kgに二酸化炭素が1,000mg以上含まれる温泉です。入浴すると全身に炭酸の泡が付着するという特徴があります。
含鉄泉 温泉水1kgに総鉄イオンが20mg以上含まれる温泉です。空気に触れると鉄の酸化が進み、赤褐色のお湯になります。
酸性泉 温泉水1kgに水素イオンが1mg以上含まれる温泉です。飲泉すると酸味を感じ、殺菌効果があります。
含よう素泉 温泉水1kgに化物イオン10mg以上含まれる温泉です。時間がたつと黄色く変色するという特徴があります。
硫黄泉 温泉水1kgに総硫黄が2mg以上含まれる温泉です。卵の腐乱臭に似た独特の臭いがあります。
放射能泉 温泉水1kgにラドンが8.25マッヘ単位以上含まれる温泉です。ごく微量の放射能のため、人体によい影響を与えると実証されています。
(出典:一般社団法人 日本温泉協会「温泉の泉質のいろいろ」/https://www.spa.or.jp/onsen/501/

アルカリ性単純温泉が楽しめる温泉街は?

アルカリ性単純温泉に入れる温泉街や温泉宿は、日本全国にあります。ここでは、アルカリ性単純温泉を楽しめる温泉街を7つ紹介します。それぞれの温泉街の特徴や魅力についても紹介しますので、泉質にこだわって温泉宿を探したいという方は、ぜひ温泉選びの参考にしてください。
 

【山梨】石和温泉

山梨県の甲府盆地のほぼ中央にある石和温泉は、山梨県内で最大規模を誇り、「新日本観光地」で全国3位に入るなど全国でも屈指の温泉郷です。

1961年(昭和36年)に石和にあるぶどう園から突如として高温の温泉が湧き出しました。付近の川に流れだした温泉が、「青空温泉」として有名になり観光地として発展していきました。温泉に浸かると肌触りが滑らかになると言われ、美人・美肌の湯としても知られています。

「石和名湯館 糸柳」は、石和温泉の中でも唯一の老舗旅館です。湧き出る良質な温泉を直接ひいた開放的な大浴場や、風情ある貸切風呂でお楽しみいただけます。日々の疲れを癒したい方は、ぜひご利用ください。
 

【神奈川】箱根湯本温泉

神奈川県の箱根の玄関口に位置する箱根湯本温泉は歴史が古く、箱根温泉郷の中では一番古い温泉と言われています。箱根湯本温泉が開湯したのは757年の奈良時代で、今から1200年以上前に「浄定坊」によって疱瘡(ほうそう)と呼ばれる感染症の温泉療法のために開かれたと伝えられています。

開湯から1200年以上たった今でも、毎日約8,000トン以上の温泉が湧き出し、豊富な湯量も箱根湯本温泉の人気の1つです。
 

【愛媛】道後温泉

愛媛県松山市にある道後温泉は、日本最古の温泉と言われています。白鷺伝説という昔話が残っており、伝説では道後温泉はケガをした白鷺によって発見されました。温泉に入った白鷺の傷が癒えたのを見た人々が入浴したことから、盛んに利用されるようになったと言われています。

18本の温泉源からひかれる温泉は20〜55度の温度を保っており、温度の低い温泉と温度の高い温泉をブレンドして温度調整を行っているのが道後温泉の大きな特徴です。加温や加水をしていないため、温泉成分の効能を十分に感じることができます。
 

【熊本】黒川温泉

熊本県の阿蘇の奥地に位置する黒川温泉は、2000年まで地図に名称が載っていないほどの秘境の温泉地でした。江戸時代中期には温泉療養を行う地として知られていましたが、黒川温泉郷としての歴史は戦後から始まります。6軒の温泉旅館によって「露天風呂を集めた温泉街」というコンセプトが決められ、スタートしました。

黒川温泉では、10種類の泉質のうちアルカリ性単純温泉も含めて7種類の泉質があります。自分の肌に合わせて泉質を選び、順番に温泉に入ることで、美肌に効果的な温泉めぐりができます。
 

【岐阜】下呂温泉

岐阜県下呂市の飛騨川の流域に湧く下呂温泉は、兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉と並ぶ「日本三名泉」の1つです。下呂温泉は、平安時代中期に湯ヶ峰と呼ばれる火山の山頂で発見されました。鎌倉時代のある日、突然温泉が出なくなり、現在の源泉地である飛騨川流域で源泉を再び発見し、下呂温泉として栄えてきました。

足湯や日帰り温泉などの温泉施設が豊富で、温泉に入ると滑らかな肌触りになると言われていることから「美人の湯」とも呼ばれています。
 

【静岡】熱海温泉

静岡県熱海市にある熱海温泉は、徳川家康が愛した歴史のある温泉です。熱海温泉は、755〜765年頃、海中に湧いていた熱湯を、祈願によって山里に泉脈をうつしたことが始まりとされています。徳川家康は、熱海に7日間滞在し、療養中の吉川広家に見舞い品として熱海のお湯を運ばせた記録が残っており、熱海温泉をこよなく愛していたことが分かります。

熱海温泉は、弱アルカリ性単純温泉だけでなく、塩化物泉と硫酸塩泉の温泉も楽しめることが魅力の1つです。湯量も豊富なため、贅沢な源泉かけ流し温泉が楽しめます。
 

【大分】由布院温泉

大分県の湯布院盆地にある由布院温泉は、複数の温泉が集まってできており、湯平温泉とともに「湯布院温泉」の名で環境省によって国民保養温泉地に指定されています。由布院温泉は、もともと「別府十湯」に数えられていましたが、明治末期に行われた区画整理によって、独立した温泉となりました。40年ほど前までは、小さな温泉街でしたが、自然豊かな温泉街として支持され、人気の温泉地となりました。

由布院温泉は、日本第2位と言われる約900の源泉数があり、湧出量も日本第3位の毎分38,600Lを誇ります。自然の中でゆったりと入浴したい方には、最適な温泉と言えるでしょう。
 

まとめ

アルカリ性単純温泉は、温泉水1kgに含まれる化学成分が1,000mg未満で、湧き出している源泉の温度が25度以上、pH値8.5以上の温泉のことを言います。含有成分が少ないため刺激が少なく肌触りもよいため、世代問わず家族みんなで入浴できる温泉です。

アルカリ性単純温泉を楽しめる温泉街は全国各地にあります。全国各地の温泉街には、温泉の湧出量が多く、贅沢な源泉かけ流し温泉が楽しめるところや、色々な泉質を楽しめるところなど、場所によってさまざまな魅力があります。それぞれの温泉街の特徴を知って、素敵な温泉旅行を計画してみてはいかがでしょうか。