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糸柳ブログ

2023.03.31糸柳便り

旅館でのマナーをお部屋・食事・温泉に分けて解説!

旅館に宿泊する際は、お部屋や食事での一般的なマナーを守ることで、自身だけでなく他の宿泊客や従業員も気持ちよく過ごせます。旅館での宿泊を考えている人の中には「お部屋や食事のマナーがよく分からない」「温泉に入るときのマナーはあるのか」と疑問を感じている人もいるでしょう。

当記事では、旅館に宿泊するときに役立つマナーをお部屋、食事、温泉に分けて紹介します。旅館での一般的なマナーが知りたい人や、マナーを守って楽しく過ごしたい人はぜひ参考にしてください。

 

1.旅館のお部屋でのマナー

旅館に宿泊するなら、宿泊客がお互い快適に過ごせるように基本的なマナーを守る必要があります。たとえば、旅館に到着する時刻が予定よりも大幅に遅れるのであれば、連絡を入れるのがマナーです。旅館ではお出迎えや夕食の準備をしているため、大幅な遅刻は迷惑になります。

服装はフォーマルでなくても構いませんが、旅館のクラスによってはジャケットを1枚用意すると安心です。品のよいジャケットを羽織るだけで、旅館の雰囲気やクラスに相応しい顧客になれるでしょう。旅館に着いて玄関に入ったら、前を向いたまま靴を脱ぎ、そっと斜めにしゃがんで向きをそろえます。靴をそろえる際、お出迎えの仲居さんにお尻を向けてしゃがむのはマナー違反です。

遅刻の連絡や服装以外にも、旅館では守ったほうがよいマナーがあります。ここでは、代表的な旅館のマナーを4つ解説します。

 

1-1.共用スペースを浴衣姿で歩くのはグレー

大抵の旅館はお部屋に浴衣を用意しており、着替えてくつろぐお客様も多いです。客室内であればずっと浴衣姿で問題ありませんが、共用スペースや廊下に関しては注意が必要です。洋式のホテルでは共用スペースを館内着で歩いてはなりません。旅館の場合はOKのところとNGのところがあります。

チェックインしたときやお部屋まで案内されたときに、浴衣で共用スペースを歩いてもよいか確認すると安心です。浴衣で歩いてよい場合でもだらしなく見えないよう、半纏(はんてん)を羽織りましょう。

 

1-2.敷居や畳の縁を踏まない

旅館に限らず、和室では敷居や畳の縁を踏むことはマナー違反にあたります。敷居とは、ふすまや障子などをはめるために下部に設けられた、溝がある部材のことです。

敷居や畳の縁を踏んではいけない理由は、下記のように諸説あります。

  • 畳の縁や敷居は家や家人の象徴であり、畳の縁に家紋を入れる家もあるため
  • 畳の縁や敷居を踏むことは家人を踏むことと同じ行為と捉えられ、失礼にあたるため
  • 柱からつながる敷居は家を支える構造の一部であり、踏んで傷めてはいけないため
  • 畳の縁も、踏むと傷みやすいため

旅館に滞在中、お部屋の中を移動するときは、敷居や畳の縁は踏まないように心がけましょう。

 

1-3.床の間に荷物を置かない

床の間は、掛け軸をかけたり生け花を飾ったりと、お客様へのおもてなしの心を表すスペースです。床の間に荷物を置く行為は、旅館側の心配りを否定するマナー違反にあたるため、スペースがあるからといって荷物を置くのは避けたほうが無難です。

荷物は控えの間や荷物置き場に置き、適切なスペースがなければ、床の間から離れた遠い場所に置きます。どこに置けばよいか分からない場合は、お部屋まで案内してくれた仲居さんに聞きましょう。

 

1-4.布団の用意・片付けは不要

旅館では、自分で布団を敷いて畳む必要はありません。特に、布団を自分で畳むと、仲居さんに二度手間をかけさせてしまいます。旅館では、お客様が使った後の布団はシーツや枕カバーをはがして忘れ物がないか確認してから、きれいに畳んで片付けます。

宿泊客の中には、使った布団をそのままにしてお部屋を出るのは気が引けるという人もいるでしょう。しかし、清掃の際に仲居さんに余計な手間をかける可能性を考えれば、布団の用意や片付けはしないほうがよいと言えます。布団を敷いてもらっている間は、お部屋にいていいものの、館内施設を楽しむのがおすすめです。

 

2.旅館の食事でのマナー

旅館の食事がお部屋食の場合は散らかっている食器などを簡単にまとめるだけでよく、ほかには何もしなくて構いません。仲居さんが、食器などを下げにお部屋まで来てくれます。

旅館への飲食物の持ち込みに関しては、食中毒や衛生上の観点から禁止している旅館が多いです。ペットボトルや缶ジュース程度であれば許容する旅館もあるため、良識の範囲で判断しましょう。旅館に飲食物を持って行きたい場合は、事前に確認するのが大切です。

ここでは、最低限押さえたい旅館での食事のマナーについて解説します。

 

2-1.料理は持ち帰らない

旅館では、食べきれないほどの料理が出るケースも珍しくありません。残った料理を持ち帰れるかは旅館の判断によって異なるので、勝手に持ち帰らず旅館へ確認しましょう。万が一持ち帰った食品でお客様が食中毒になった場合、旅館側が責任を問われる可能性があるため、基本的には持ち帰りをしてほしくない旅館が多い傾向にあります。

旅館が提供する料理は品数が多いので残しても問題はありませんが、ビュッフェスタイルの場合は、食べられる量だけ取り皿に取りましょう。

 

2-2.料理は来た順番に食べる

料理がひと品ずつ出てくる場合は、出された順に食べましょう。料理を食べ終わらないうちに次の料理が来ることもありますが、気にする必要はありません。運ばれてきた料理に箸をつけた後、先の料理に戻って食べればOKです。

数多くの料理を一度に出された場合は、好きな順で食べて構いません。

 

2-3.食物アレルギーは事前に伝える

特定の食物アレルギーがある場合は、予約時など早い段階で旅館側に伝えるのが重要です。当日、食事の時間になって食物アレルギーがあると伝えても、対応してもらえるとは限りません。時間がかかったり、提供できるものがなかったりする場合もあります。

アレルギーについて早めに伝えて配慮をお願いすれば、旅館側も準備できます。「該当の食材を使わず調理する」「代わりの料理を用意する」など、代替案を提案してくれる場合もあるでしょう。

 

3.旅館の温泉でのマナー

温泉には、宿泊客同士が気持ちよく利用するために守るべきマナーがあります。たとえば「脱衣所で脱いだ服はきれいに畳んでカゴに入れる」「髪が長い人はゴムなどで結わえ、湯に浸かったときに髪が浸からないようにする」などです。浴場ではおしゃべりは控えることも大切なマナーです。

ここでは、温泉に入る際に特に守るべきマナーを3つ紹介します。

 

3-1.かけ湯をしてから湯舟に浸かる

温泉に浸かる前は、かけ湯をするのがマナーです。湯をかけると身体表面の埃や汚れが落ち、湯舟に入る前に身体を熱い湯に慣れさせられます。足からお湯をかけ、徐々にお湯の温度に身体を慣れさせます。

かけ湯をしたら、頭と身体を洗い、きれいになったら湯舟に浸かります。湯が出ている場所の正反対にあたる湯尻から入りましょう。

 

3-2.脱衣所に出る前に体を軽く拭く

湯舟で身体が温まったら、のぼせないうちに上がります。身体の水分を拭き取らずに脱衣所に出ると床が濡れるため、脱衣所に出る前はタオルで身体を軽く拭くのがマナーです。

床が濡れた状態では、後から来た人が気持ちよく使えません。濡れた場所を踏んで滑り、転倒するリスクもあります。宿泊客全員が快適に利用できるように、身体を軽く拭いてから浴場を出るように心がけましょう。

 

3-3.湿ったタオルはタオル掛けや洗面台に置く

使用して湿ったタオル類は、お部屋に戻った後で室内のタオル掛けにかけるか洗面台に置きます。湿ったタオル類を畳の上に置いたり座椅子の背にかけたりするのは、カビや傷みの原因につながるのでNGです。

バスタオルはクリーニングして繰り返し使用するので持ち帰れませんが、旅館名やロゴ入りの手ぬぐいであれば持ち帰り可能な旅館もあります。持ち帰りOKと明示されている場合を除き、家に持ち帰りたい場合は必ず旅館に訊ねましょう。

 

まとめ

旅館には、お部屋や食事、温泉といった場面ごとに適切なマナーがあります。旅館に到着する時刻が大幅に遅れる場合は連絡を入れ、お部屋の敷居や畳の縁は踏まないように心がけ、床の間に荷物を置かないのがマナーです。

食事では、ひと品ずつ料理が提供された場合は順番に食べ、食物アレルギーがある人は事前に伝えて旅館側が準備できるように配慮します。温泉は湯舟に浸かる前にかけ湯をし、身体を拭いたタオルはお部屋にあるタオル掛けか、洗面台に置きましょう。